2016年3月10日木曜日

建築探訪撮影会「琥珀ガラスのチャペルへ」#階段

活水学院の校舎のほぼ中心に位置する階段は、素材とその大きさによって重厚感があり、有機的で磨かれた手すりはとても美しいです。回り階段になっているので、ずっと上まで続いている様な感じがして見上げたくなります。
「ヴォーリズと階段」と言えば、思い出すエピソードがあります。
ヴォーリズ氏が1937年(昭和12年)に設計した滋賀県の豊郷小学校が、解体の危機にあったときに、卒業生を中心に市民が立ち上がり、保存される事になりました。当時、壮麗な鉄筋コンクリート造の校舎は、「白亜の殿堂」「東洋一の小学校」と言われたそうです。
その小学校の階段手摺には、イソップ童話「ウサギとカメ」をモチーフとしロンズ装飾が設置され、保存運動のシンボルにもなりました。今は教室としては使われていないようですが、年間沢山の方が訪れているようです。

豊郷小学校HPにはヴォーリズ氏の事が詳しく書いてあります。
ウサギとカメ
ヴォーリズ氏の事

このようにヴォーリズ建築は、今でも人々に愛され、全国に沢山残っています。
私達もヴォーリズ建築のように、「人と街に愛される」建築を目指したいと、強く思わされます。


写真は書籍「ナガサキリンネ1」より



2016年3月7日月曜日

焼杉ワークショップ in waranaya cafe

 先日行われた「焼杉ワークショップ in waranaya cafe」のご報告。

焼杉はとても乾燥した杉材を使うため、雨が気になっていました。火も使いますから、風も気になります。人が集ってのワークショップだから寒さが気になります。当日は、そんな心配ご無用と言わんばかりに、日頃の頑張りのご褒美かのような、青空の青がとても奇麗な快晴となりました。waranaya日和であり、焼杉日和です。

 呼びかけで集まったのは定員を少し上回る30名を超える老若男女。大工さん、設計士さん、お店をしている人、家づくりに興味がある人、将来インテリアの仕事が夢の女の子など、1歳〜74歳までの幅のある参加となりました。とにかく天気が良いのでwaranayaさんにいるだけで気持ちいいのです。
結構ハードなワークショップでしたが、子どもも女性も、楽しいと言いながら積極的に参加しているのを見て、安心しました。

お昼はwaranayacafe特性カレーに、みなさん大喜びです。青空の下でのご飯がとても美味しかったです。
そして、美味しいお昼の後は、みなさん慣れた手つきで黙々と。もう職人のような顔つきでした。
大工さんは今度焼杉をやってみますと。お店のオーナーは今度ファサードにどうかな?と。どんどん長崎の街に増えてくるかもしれませんね。

建築の現場は自分達には地味にみえて、参加したり、見てもらっても面白くないのではないかと思うけれど、単調な作業(職人の技)の積み重なりで大きな家が出来る事が、大変ですが、楽しくもあり、面白くもあります。家が出来上がるまで長丁場なので、そこにはいろんな面白い物語があることを、もっと沢山の方に伝えて、家づくりに興味を持って頂けたら嬉しいです。

今回、参加してくださった皆様、来れなかったけど応援して下さった方々、そして、一緒にワークショプをしてくれたwaranaya cafeの皆様、お陰さまで素敵なワークショップが出来ました。本当にありがとうございました!!

動画でもどうぞ 焼杉ワークショップ
waranaya cafe HP

新聞紙2枚程であっという間に火柱が立つと、「おー」っとみなさん驚きます。
青い空に火柱が「ボーボー」音を立てて燃え上がります。
全体に火が回る時間を計り、消火準備に取りかかります。
内部の燃焼面がお互いに反対面を更に加熱するため、火力がアップ。

気持ちいいくらい燃えてます。

水をかけて火を消します。

そしてこんなに奇麗な焼杉が出来上がります。テクスチャーも輝きもカッコイイ!
    子ども達はWARANAYAの剛くが大好き!後を追いかけるように集まってきます。
    お馬のサトコも大活躍!後ろでは大人達ががんばっていますね。
    この風景もWARANAYAだからあり得るのです。




2016年3月5日土曜日

焼杉の家 上棟

先日とても寒い日に「焼杉の家」の上棟式がありました。

最近では、地鎮祭や上棟式はあまりやらないと聞きます。
確かに形式だけにこだわってやるのはどうかと思いますが、お施主様を見ていると、地鎮祭では土地に挨拶をして、この地に住む事が祝されるようにと。上棟式では工事の安全を祈願し、地域の人に挨拶をして、それまでは「此処にすむのだろう」となんとなく頭では分かっていたのが、「此処に住みます。どうぞよろしくお願いします。」と言う覚悟のようなものが備わっていくように感じます。
昨今、軽んじられる伝承文化ですが、宗教の違いや予算の関係もあると思いますが、節目節目には何か出来たらよいと思います。

家族みんなが集まり、子ども達はおばあちゃんの作ってくれた法被(はっぴ)でお父さんと上棟の儀式にでました。お家の梁と柱は「おじいちゃんの育てた木」を使っています。そうお伝えすると、とても嬉しそうでした。

そして、いよいよ明日はこの家の外壁に使われる焼杉の「焼杉ワークショップ in waranara cafe」が行われます。天気もよいようなので楽しみです。
昨日からお施主様と一緒に焼き始めた焼杉はいい感じで出来て来ています。
外壁として貼られるといい感じになりそうです。

五色の旗が立つとご近所から人が集まってきます。

兄弟でおばあちゃん手作りの法被(はっぴ)を着て、上棟式。

 焼杉を作成中。煙突効果で一気に燃え上がります。

焼杉の様子を見守るお祖父ちゃんとお孫さん







2016年2月29日月曜日

建築探訪撮影会「琥珀色のチャペルへ」#「あさが来た」

毎朝、朝ドラ「あさが来た」を楽しみに見ています。
実は、ドラマの主人公の広岡浅子さんとW.M.ヴォーリズとは深い関わりがあります。ヴォーリズ氏の奥様の一柳満喜子さんのお兄さんは、浅子さんの娘の亀子さん(ドラマでは千代)の婿となった広岡恵三さん(ドラマでは東柳啓介)なのです。
このヴォリーズ氏と一柳満喜子さんが結婚したきっかけになったのは広岡家での出会いだったそうです。
大正7年(1918年)に広岡家はヴォーリズ氏を招き建築物の設計について話し合っていました。
その時に通訳として参加していたのが、満喜子だったのです。(満喜子さんはアメリカ留学していました)
ドラマの中でもこれから登場してくるのでは?と言われています。
楽しみ倍増です!
静謐で柔らかい光

建築探訪撮影会「琥珀ガラスのチャペルへ」

カメラのフォーカスさん と なつくらさん とずっと前から一緒にやりたいね と話していた撮影会が出来る事になりました。一緒に琥珀ガラスのチャペルでヴォーリズの建築を感じてほしいと思います。


長崎には魅力的な建築が沢山あります。
建築を辿ると、長崎の風土、他に類をみない特有の歴史や文化と密接に繋がっている事に気づきます。知れば知るほど長崎がまた好きになる。そんな建築探訪撮影会に一緒に出かけましょう。

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今回の建築探訪撮影会で訪れるのは、東山手に赤い屋根の洋館が愛らしく建っている活水学院です。設計はW・M・ヴォーリズ。「建物の品格は人格のごとくその外装よりもその内用にある」と述べている通り、その建築からは、簡素でありながらも豊かさと品性が感じられます。「小チャペル」は琥珀ガラスが使われ、差し込む光がチャペル全体を琥珀色に染めます。
普段はなかなか入る事の出来ない活水学院で、ヴォーリズの世界を感じ、その風景を写真で切り取りたいと思います

また、なつくらでは、今回撮影する場所の写真展示をしています。美味しい定食や珈琲、お酒を頂きながらヴォーリズの世界を感じてみて下さい。
からすみ茶屋なつくら 長崎市万屋町2−3(菊一文字隣

建築探訪撮影会
「琥珀ガラスのチャペルへ」
日時 : 2016年3月19日(土)
   9:00〜 オランダ坂石碑前集合
会費 : 1500円(プリント料金含)
持ってくるもの : カメラ

「写真もちより会」
日時 : 2016年3月30日(水)
   19:00〜
場所 : なつくら
会費 : 500円(珈琲付)
持ってくるもの : 3/15撮影の写真

参加申込・お問い合わせ
カメラのフォーカス 095-825-5200




2016年2月22日月曜日

焼杉ワークショップ in waranaya cafe

大村のwaranaya cafeの一角にて「焼き杉ワークショップ」を開催します。
作成した焼き杉は、現在大村市内に建築中の家「焼き杉の家(仮称)』の外壁として使用します。
数年前に訪れた「ラムネ温泉」を見て以来、いつか焼き杉の家を作りたいと思っていました。
自分たちの手で外壁材が出来ると言う事が驚きでもあり、火や水を使う作業は大人も子どもも楽しいですよね。
waranaya cafeの大自然の中で一緒に楽しみましょう。
facebook ttps://www.facebook.com/events/1079425645433461/

日時 3月5日(土曜日) 10 : 00 〜 14 : 00

参加費 大人 1000円 こども(小学生以下) 500円
   (昼食・保険料込み)

場所 waranaya cafe 
  〒856ー0032 長崎県東大村1-1880-72

  tel : 0957-50-2276

ご予約・お問い合わせ
HAG環境デザイン 橋口

       メールにて氏名・住所・TEL・参加人数を 書いて申し込み下さい。
  mail : hag@hagkankyo.com   
  TEL  : 095-847-0204


焼杉とは:
瀬戸内海を中心に西日本で昔から使われている外壁材で、昨今、日本内外でその良さと炭のテクスチャーの格好良さが見直され、注目を浴びてきています。杉を炭にする事により、耐火性や耐候性に優れ、害虫にも強く、耐久性のよい素材となり、50年〜60年持つと言われています。光を浴びると銀色に輝く様はしっとりと美しいです。

作り方:
4mの杉を3枚で三角柱に組み立てます。下から少しの火種を入れると煙突効果で一気に上から火が燃え上がります。内部の燃焼面がお互いの反対面を更に加熱する為、相乗効果で火力がアップしま­す。火をつけてから5分程で水をかけて出来上がります。




2016年2月16日火曜日

長崎県木造コンクール 最優秀賞

前回の「玖島の家」に引き続き、「木場の家 cozy house」が長崎県木造コンクールで最優秀賞との連絡がありました。2年毎に開かれるこの大会では、県内外の建築家や建設会社の力作が揃う中、2回連続で最高の賞を頂けるのは本当に嬉しいかぎりです。

この受賞は、何より私達と一緒に働いてくださる職人さん達のお陰です。
今の家づくりの主流は規格を選んでポンとつけるだけ、のような家づくりが多い中、私たちの家づくりは職人さんの技が家の空気感を作ると言っても過言ではないのです。材料を活かし、ディテールをシンプルに美しくしようとすれば、その分技術や知恵が必要になってきます。

無理難題を「こだわっとるけど、出来ると良かとやもんねー」と言いながら付き合って下さる職人さんたちがいて、本当にありがたく心強いです。
また、このような家を作らせて頂いたお施主様にも本当に感謝です。

これからも、一棟入魂で喜んで頂けるような家づくりを目指していきたいと思います。

「木場の家 cozy house」
あ、庭の木に小鳥が飛んできた!あれ、窓の外にカエルがいる!庭から虫の声が聞こえるよ!子供達の元気で嬉しそうな声が部屋中に響きわたる。南に大きく開かれた窓は庭に繋がり、自然を身近に体感できる。夏には涼しい風が通り抜け、冬は晴れればあたたかな陽だまりができ暖房器具は無用。寒くなれば薪ストーブに火を灯し、家の中で揺らめく炎を眺める。そんな恵み豊かな時を、無垢の木と漆喰壁が造り出す穏やかで柔らかな光に包まれながら、家族と一緒に感謝しつつ、日々愉しんでいます。
(木造コンクール冊子お施主様の感想より)


薪ストーブの炎のゆらぎに癒されると奥様。子どもとの対話のひとときに。
オープンだけど手元はみえないように。

ただいまーと帰って来て、リビングの一角でお勉強。

きっちんから全体が見渡せるように。でも、少し篭っているから、みんなを見守るように佇むお母さん。
音楽室は防音と音響を考えて設計しています。
オープンにすると人が集まって音楽会が出来そうです。