2011年9月9日金曜日

沖縄建築探訪

沖縄に行ってきました。
20年ほど前から通っている沖縄。
その頃はバナナが下がった小店が道路脇に並び、車はボロばっかりで車検があるのだろうか?と思っていました。アジアの一部という感じで、外国に来た思いでした。
今は小店がなくなり、豪華な車が走り、今どきの家が建ち、ハウスメーカーが建てたらしき家もあり、新都心に行くと日本の何処とも変わらない景色となっているように思え、少し寂しく思えます。

暑さの厳しい沖縄でどのように環境と繋がり暮らしくらしてきたのか?その先人の知恵が今の技術の中でどのように活かされていけるだろうか?という思いの中で3つの建築をみてきました。


昭和47年に国指定重要文化財に指定された中村家住宅は戦前( 約280年前 )の沖縄住居建築の特徴を全て残していて、沖縄本島で現存する住宅としては一番古いと言われています。沖縄の環境に寄り添うように、いろんな知恵が随所にありました。それはとてもシンプルでかわりやすく美しい佇まいです。



静かに佇む正面
 


風が通る設計


名護市庁舎 

設計は像設計集団、1981年竣工

名護市庁舎は像設計集団によって空調設備に依存せずに快適な環境をつくりだすことが意図されて設計されています。像設計集団の代表的な建築です。
各階をセットバックさせて造られていてたまり(居場所)があり、、屋根もパーゴラのように作られていて、強い風や日差しを遮り、心地よい風と木漏れ日とがその空間を居心地よくしていました。
穴あきブロックが作る陰影も面白く、息子と場に誘われるようにくるくる散歩して歩きました。
もともと冷房が設置されておらず(今はありましたが)各階の天井に設けられたダクト(風の道)によって通風、換気をしていたようです。
  


国道からの外観
  


セットバックで流れる感じがいい
 

沖縄県立博物館・美術館

沖縄新都心に2007年竣工。穴あきブロックを使った外観はぐすく(城)をイメージしたもの。エントランスには木の木漏れ日をイメージしたトップライトが大小10本立っています。エントランスは自然光ベースの照明計画がしていて、白い壁にトップライトの自然光がやわらかな空間を作っていました。




エントランスのトップライト
  


ぐすく(城)の城壁をイメージ